☆クロスオーバー(4)
鳴き竜とは多々羅大橋の中腹に位置する観光名所だ。そこでパンパンと手を叩くと橋に音が反響して不思議な音が聴ける。
そこに誰かがいることは珍しいことではなかった。だがこんな時間にそこにいること自体があり得なかった。日没は目の前だ。
まいらの声がヘッドセットから響く。
「やだ!なんか怖い!翼みたいに、手を広げてる!!」
その時俺は、俺の脳みその前頭葉あたりに深く重くのしかかる、何かの声を聞いていた。
その正体はさっぱりわからないが、俺が封印した過去に何か関係しているのか、と直感的に感じていた。
小さくヘリコフの姿が見えてきた。俺はまいらとその女に追いついたのだ。
「飛び降りる様子は?」
「今んとこない!目をつぶってる!」
「声かけろ!死ぬのやめなさいって!」
「それより効果的な方法があるよ!」
「は?」
二人の姿が近づいてきた。ヘリコフと、長い髪の女性のシルエットが見えた。
あと100メートルといったタイミングだったろうか。
「いっけぇぇぇ!!!」
鳴き竜とは多々羅大橋の中腹に位置する観光名所だ。そこでパンパンと手を叩くと橋に音が反響して不思議な音が聴ける。
そこに誰かがいることは珍しいことではなかった。だがこんな時間にそこにいること自体があり得なかった。日没は目の前だ。
まいらの声がヘッドセットから響く。
「やだ!なんか怖い!翼みたいに、手を広げてる!!」
その時俺は、俺の脳みその前頭葉あたりに深く重くのしかかる、何かの声を聞いていた。
その正体はさっぱりわからないが、俺が封印した過去に何か関係しているのか、と直感的に感じていた。
小さくヘリコフの姿が見えてきた。俺はまいらとその女に追いついたのだ。
「飛び降りる様子は?」
「今んとこない!目をつぶってる!」
「声かけろ!死ぬのやめなさいって!」
「それより効果的な方法があるよ!」
「は?」
二人の姿が近づいてきた。ヘリコフと、長い髪の女性のシルエットが見えた。
あと100メートルといったタイミングだったろうか。
「いっけぇぇぇ!!!」