ドク ドク ドク……

 体はこの書類を拒否し続ける。

 ここに何が書いてあるというのか。

 痺れたままの手を、書類に伸ばす。

 親指と中指でつまみ、それを持ち上げようとした時、

「後悔、しませんね?」

 女医が泣きそうな顔をしながら問いかけてきた。

 私は震える喉に精一杯力を込めた。

「何も知らないより、マシです」

 そう言って、書類をめくり上げた。

 書類は思っていたよりずっと軽い。

 勢いよく翻った紙。

 ふわっとインクの臭いが鼻を掠める。



 そこに出てきた答えに、私は――。


 笑いすら、覚えた。