「ちょっと待って。写真とか、ないかな?」

「取ってくるよ。最近のは自分で持ってるんじゃない?」

 本棚を指差す正樹は、写真を取りに部屋を出る。

 無造作に漫画本などが並んでいる本棚。

 卒業アルバムなどもあるようだ。

 その脇に、半透明プラスチックの表紙の冊子を見つけた。

 透けているからそれがアルバムだとすぐにわかった。

 何冊かあるそれを取り出していると、正樹が部屋に入ってきた。

「ほら、これ」

 何冊もある大きなアルバムが床に下ろされる。

 ズシッと5冊くらい。

「多いね」

「赤ちゃんの頃からのやつ、全部持ってきた。俺、自分の部屋にいるから、何かわかったら呼んで」

 それだけ告げて、正樹は部屋へ戻ってしまった。

 冷たいやつめ。

 さぞ可愛くない弟だったことだろう。