安全を確認して、施設に入ると
入口の所で男の子の両親と佑行
の姿があった。

「真!!」

「有夢!!」ほぼ同じタイミング
で名前を呼ばれた。佑行は心配
そうに有夢を怒鳴りつけたが。

「…有夢、今夜行こう」佑行が
何を言ったか、有夢にはすぐに
分かった。

いつも優柔不断で、男らしく
ないと言われていた佑行。だが、
もう違った。

常に有夢の後ろで泣いていた
佑行だったが、今目の前にいる
彼の背中は見違えるほど、
男らしかった。