「大事な話だ。今日中に決めろ。
分かったな?」利恩は言った。

「…人造人間は自分達の弱点で
ある人間を絶滅させる。人間に
恐れた奴らは、人間を全員殺す
計画を考えたんだ」

人造人間が人間を殺す…?

「ID登録を偽造してあるが、
いずれバレるだろう……
バレる前に逃げた方がいい…」
利恩は周りを気にしながら、
あまり口を動かさず、言う。

「外へ逃げろ。外の環境は人造
人間には危険だが、俺達人間には
無害だ。ここにいるよりは、確実
に安全なんだ」

3ヶ月逃げ切れば、計画は終了
し、安全が保証される。

しかし、外には食べ物も無く、
悪魔や外国からの攻撃もある。

「…人造人間を作ったのは人間
なのに……」佑行は言った。

「人造人間を作った人間が悪い
んだ…佑行」佑行に対し、有夢
は言った。

神の領域を冒した人間への罰。

人間が人間を生み出さなければ、
こんなことにはならなかった。

「……お前達には帰る場所が
あるんだろ?」利恩が佑行の肩
を叩いた。

「利恩さん…」

「俺にはねぇからな。帰る方法、
探しとくから、とにかく生きる
ことを忘れんな」利恩は言った。