こうして鏡ごしにひなたを見ていると普通に男の子で凄くへんな気持ちになる。
男に髪を乾かして貰うなんて子供の頃、お父さんに髪を乾かして貰った以来だ。
それが何だか懐かしくて、でもそれがお父さんじゃなくて……
何だか凄くへんな気持ちになる。
うつむいて再びひなたを鏡ごしに見る。
髪がボサボサ……
そう言えばあたし、ひなたにブラッシングしてあげてない……。
ひなたに対して申し訳ない気持ちになる。
「……ひなた、終わったらあんたにもやったげる。犬のあんたによ」
「ん?何?」
ドライヤーの音で聞こえないくらいの声であたしはひなたに呟いた。
「あんた毛が長いから……毎日ブラッシングしてあげなきゃね……せっかく毛並み綺麗なんだし……」
「なんて言った?聞こえなーい」
あたしは構わず小さく呟いた。
聞き取れないくらい小さく。
「あたしなんかに飼われて……あんたそれでいいの?」
聞こえていないものだと思っていた。
聞こえなくていいと思っていた……。
ひなたはドライヤーを切るといきなりあたしのこめかみにキスをした。
驚いて振り向くとひなたはいたずらな笑みを浮かべた。
「もちろん。俺はミリちゃんがいいよ」
「……え?あんた聞こえて……」
「俺、耳はいい方なの〜。ブラッシング約束ー」
コイツ!!
やっぱムカつく!!
あたしは敗北感でいっぱいだった。
男に髪を乾かして貰うなんて子供の頃、お父さんに髪を乾かして貰った以来だ。
それが何だか懐かしくて、でもそれがお父さんじゃなくて……
何だか凄くへんな気持ちになる。
うつむいて再びひなたを鏡ごしに見る。
髪がボサボサ……
そう言えばあたし、ひなたにブラッシングしてあげてない……。
ひなたに対して申し訳ない気持ちになる。
「……ひなた、終わったらあんたにもやったげる。犬のあんたによ」
「ん?何?」
ドライヤーの音で聞こえないくらいの声であたしはひなたに呟いた。
「あんた毛が長いから……毎日ブラッシングしてあげなきゃね……せっかく毛並み綺麗なんだし……」
「なんて言った?聞こえなーい」
あたしは構わず小さく呟いた。
聞き取れないくらい小さく。
「あたしなんかに飼われて……あんたそれでいいの?」
聞こえていないものだと思っていた。
聞こえなくていいと思っていた……。
ひなたはドライヤーを切るといきなりあたしのこめかみにキスをした。
驚いて振り向くとひなたはいたずらな笑みを浮かべた。
「もちろん。俺はミリちゃんがいいよ」
「……え?あんた聞こえて……」
「俺、耳はいい方なの〜。ブラッシング約束ー」
コイツ!!
やっぱムカつく!!
あたしは敗北感でいっぱいだった。