だいたい仕込むって何をだよ……
エロいんだよ発想が!

ひなたは犬として飼うんだし……



部屋に戻り振り返ると人間の姿のひなたがあたしをニヤニヤしながら見下ろしていた。


「……何よ」


ひなたはあたしのほっぺを両手で軽くつまむとニーッと笑った。


「ミリちゃんのヤキモチ妬き〜」


コイツ……
くそムカつく!!


「ヤキモチじゃないから!あんたは犬!ただの犬!」

「はいはい、髪乾かさないと風邪ひくよ?」

「ウルサイ!」



何だか無性に腹が立つ。

あたしはドライヤーで髪を乾かしながらイライラしていた。
ひなたはしばらくそれを見ているとあたしに手を向けた。


「貸して?グルーミングしたげよう!」

「……グルーミングって……ブローだっつーの」

「意味は同じだよ。俺やったげる」


ひなたが余りにもニコニコしながら手を差し出すのであたしはドライヤーとブラシを渡した。


「……これって立場、逆じゃないの?」

「いいから、いいから。グルーミングはペットと飼い主のコミュニケーションだよ?」

「……だから立場が逆だろ……」


ひなたはお構いなしであたしの濡れた髪を乾かし始めた。