しばらくしてお姉ちゃんが帰宅するとスーパーの惣菜でご飯を食べた。

どうやらお姉ちゃんは最近忙しいらしい。



あたしは食器を洗いながらリビングから聞こえるテレビの音を聞いていた。

皿を洗い終えリビングに行くとお姉ちゃんがひなたを抱いてソファーに横になっていた。



「それあたしの犬なんだけど?」


一瞬、ムッとしてつい出てしまった言葉に後悔した。

アホか、あたしヤキモチ妬いてるみたいじゃん。


お姉ちゃんはあたしを冷ややかな目で見てひなたを撫でた。


「この犬、この家で飼ってるんでしょ?ここあたしの家だから。あんた犬連れて実家帰る?」


うーわ
この女も可愛くねーよ……


「……すいません文句ないです」


あたしがかしこまってもお姉ちゃんは無反応でひなたのチョンマゲを指で弄び始めた。



「ねーミリ、この犬、綺麗だし飼い犬なんじゃないの?」

「え……段ボールに入ってたから……捨て犬でしょ……」



お姉ちゃんの言葉に戸惑った。


飼い犬……


あたしはひなたがこの家に来る前のことを何も知らない。