こうして犬のひなたを連れて歩くと犬を連れてる人が目に入る。
普段ならさほど気にならないだろう。


さっきのミニチュアダックスと違いひなたに吠えず近寄って来た犬もいた。

犬種は不明だったが、黒い犬はひなたのお尻の匂いを嗅ぎ、ひなたも同じようにその犬の匂いを嗅いだ。



丸っきり犬だ。

この犬が人間のように喋ったり、ましてや人間の姿になるだなんて……。


ひなたが犬なんだと初めて実感した気がする。



「ねーひなた、暗くなってくるからそろそろ帰ろ?」

「ワン!」


日も暮れ辺りが暗くなりだしたのであたし達は来た道を引き返すことにした。


こうして歩くと犬の散歩も悪くない。

ひなたも満足したようで帰り道もトタトタ軽い足取りだった。