いっそひなたを彼氏にしたら……

いや、単なる慰みもの。



でも、ぶっちゃけひなたに対して性的興味がないわけじゃない。
むしろ抑えてるくらいだ。

アレハ イヌ……

アレハ イヌ……。


授業が終わり家に帰ると、そんなあたしの理性をひなたが吹っ飛ばした。


「ミリちゃんお帰り!」


玄関に入った瞬間、人間の姿のひなたがハグで迎えた。

ぎゅっとあたしの頭を抱え込むようにひなたはあたしを自分に抱き寄せる。

うわ……ヤバイ。

焦ったあたしはわざとキツク言い放った。


「ちょっと何!?ウザイ!」

「だって犬の姿じゃミリちゃん抱きしめられないじゃん?」

「何で抱きしめる必要があるのよ!」

「だってミリちゃんぎゅってしたかったから」


笑顔でそう返されると返す言葉もない。

何なんだよ
コイツのこの自由さは……

ひなたは笑いながら手をあたしに向けて『おいで』のポーズをした。


「はい、おかえり!」


「……わかった……ただいま」


あたしはため息をつくと大人しくひなたにハグされに行った。