カラフルな首輪が並ぶ棚でひなたはまだ食い物の話をしていた。


「ねーミリちゃんジャーキー買ってよ。ジャーキー」

「首輪選んでるの。待ってよ」


犬の首輪も馬鹿に出来ない。

シンプルなザ、首輪な物から細身の物、ゴツめの物。
ラインストーン付きの可愛いらしい物、シルバーチャームの付いた物まで。


「これ可愛い〜」

あたしの手にした首輪は淡いピンク色でチャームの付いた可愛いらしい物だったが値段はそれに反して全く可愛くなかった。


犬の首輪が5780円!!

あたしの服が買えんじゃん!?


「ねーミリちゃんまだー?」

ひなたに急かされ、あたしは笑ってその首輪を棚に戻した。



「ひなた……さっきの餌に変えていいから首輪はこれでいい?」

「え?変えて来ていいの?」

「……ご飯くらいはいいやつ食べさせるわ。首輪に5千円も出せないから」

「わー。何かしんないけど変えて来る」


再びドッグフードコーナーに戻るひなたの後ろ姿を見ながらあたしは900円の白い首輪を選んだ。