妙な沈黙が流れた。

ひとけのない場所だけに余計、静かだ。


ひなたはあたしを責めるわけでもなく黙ってあたしを見ている。

あたしはおどおどするのをやめてキッとひなたを見据えた。



「……先輩、彼女作らないんですか?」

「どうして?」

「面倒臭いって……先輩さっき言いました」



ひなたはあたしから視線を外すとしばらく黙った。



「うん。好きでもない子と一緒にいるのは面倒臭いね」


そう言うと再びあたしに視線を戻してじっと見る。



ちょ……

マジ見すぎだから!

やめて見ないで!?


てか、どういう意味でのガン見!?

もしかして……

あたしのこと言ってる?


あたしは俯き、ひなたから視線をそらすとグッと奥歯を噛み締めた。



「……あたし面倒臭いですか?」

「別に」


ドキドキしながら顔を上げるとひなたはそっぽを向いていた。


本当によくわからない。


とりあえず嫌われてないと思っていいのか……。