愛の告白をひなたは無表情でバッサリ切り捨てたのだろうか……。

何だか気の毒な気もする。


あたしは身を潜めたまま、そこから動けなかった。


先に立ち去ったのはどっちだろう……。

ひなた?それとも女のほう?


見つからないように息を殺してもう一人が立ち去るのをじっと待つ。




「盗み聞きなんて悪趣味だよね」




突然、背後からしたその声に心臓が飛び出しそうになった。


えっ!?
嘘、バレてんの!?


固まったままじっとしているとこっちに近づく足音がしてひなたが顔を覗かせた。


「みーつけた。中田さん何してんの」


ヤッベー!

バレてんじゃん!!


「あの、盗み聞きするつもりはなくて……声かけられなくてその……」


しどろもどろのあたしをひなたは冷めた目で上から下までじっと見た。


最悪だ……。

これじゃあたしひなたのストーカーじゃん!?


もう一度言う……。


最悪だ!!

あたしひなたのストーカーみたいじゃん!?