固まるあたしをよそにレミとシオリが盛り上がる。


「あ〜淳君と別れて付き合ったって言う彼?レミ、ミリの彼氏見たんでしょ?カッコイイ?」

「マジイケメン。可愛いかったけどあれはイケメン」

「何それどっち?」

「つーかミリ、よく捕まえたよねー。どうやって付き合ったの?」



ハッとしてレミ達の顔を見る。


「……うん。ちょっとね……」


言葉が続かず笑ってごまかそうとしても上手く笑えない。

そんなあたしに気付いてレミの顔色が変わる。



「嘘……別れちゃった?」


レミの一言がグサリと胸に刺さった。


別れてなんかない……。


あんな終わり方……認めない。



だってあたし、ひなたに言いたい事がいっぱいある。


ごめんねって言ってない。

ありがとうって言ってない。


大好きってちゃんと言ってない。



「……別れてないから……いなくなっちゃったけど……別れてないから」



隣で黙っていたユリがあたしの背中に優しく手を置いた。

「……大丈夫?」

その瞬間、我慢していた涙がポロッと零れてあたしは慌てて涙を拭いた。