ユリの言葉にドキッとした。

あたしの事を言っているのだろう。



「……でも切ったから」


ユリはそう言ってあたしを見て笑った。


ああ……
そう言うことか……。

ユリはユリで吹っ切れたとあたしに伝えたかったんだ。

もしかしたらユリの精一杯の笑顔だったのかも知れない。


「そっか……ユリが笑ってくれてよかった」


あたしもユリに笑って見せた。

レミは不思議そうにあたし達を交互に見ていた。


「ちょ、何?二人して。ユリの好きだった人って誰?ミリ知ってんの?」


「それより、ミリ目が腫れてる……」

レミの質問をユリが遮ると話はすぐ流れた。

「あー昨日、DVD見て」

「本当に?何かあった?」


突っ込むなユリ。


「え?あれ嘘?もしかして淳、振ったことで泣いた?」


言うなレミ!
つーかあっちゃん関係ね〜。


「へぇ……ミリ、淳君と別れたんだ」

「あっちゃんは関係ないからマジで」

「じゃ、金髪の彼とケンカした?」



レミの言葉に喉の奥がグッと詰まる。

ヤバイ……嘘だろ。

涙出そう……。



「違うから。ごめん…トイレ」


苦笑いでそう言うのがやっとであたしはトイレに駆け込んだ。