ヤキモチなのか?
さっきのはヤキモチなのか!?

……つーかそうだろう。


朝の仕度も終わり、鞄をもって玄関に向かうとひなたもついて来た。



「ミリちゃん行ってらっしゃい」

「あんた犬に戻んなさいよ」

「うん。ミリちゃん見送ったらね。あとね……」


言葉が終わらないうちにひなたはあたしを抱き寄せた。

「ミリちゃんギューッってしてから戻るよ」


そう言うとひなたはあたしのこめかみにキスして笑った。


「ミリちゃんは?」

「あ〜……もう!」


クソ、悔しい!


あたしはひなたに抱き着くと背伸びしてキスした。


「学校に迎えに行っちゃダメ?」

「ダメ」

「わかった。待つ」

「じゃ、行ってくる」

「うん。行ってらっしゃーい」


ヒラヒラ手を振るひなたを背に、あたしは後ろ髪を引かれる思いで玄関を後にした。