あたしが諦めかけた時だった。


「あのね……俺の一族は大人になると一生仕える主人を捜すんだ」


犬が布団の中、膝を抱えて急に真面目に語り始めた。
それがやけに真剣であたしも真面目に聴いていた。



「捜すって言っても選んじゃダメなの。

ペットは飼い主を選べないんだ。
だからミリちゃんに選んでほしい。
飼い主はミリちゃんがいい。

俺、犬だからすごく忠実だよ」



真剣な目にじっと見つめられあたしは思わず顔が熱くなる。


あたしがいいって……


コイツ……











思いっきり選んでんじゃねーか!!