目覚ましがなる前に解除してあたしは布団の中でひなたの寝顔に見入った。


本当に綺麗で触りたくなる。


よくよく観察するとひなたは鎖骨の下に黒子がある。

それを指でなぞるとひなたはパチリと目を開けてあたしを見た。


「うわ!びっくりしたっ!!」

「……何さわってんのミリちゃん……」

「別にっ……黒子をゴミと間違って……取ってあげようとしたんだからね!」

「何そのツンデレ。まぁ、いいけど」

「ツンデレじゃないし!」

「あー。あと、これ黒子じゃないよ。これ油性ペンの跡」

「油性ペン?」

ひなたはムックリ起き上がると指で黒子をゴシゴシと擦って見せた。

「うん、油性ペン。8年間消えないの。まー俺は消すつもりないんだけど……」

「いや、それ黒子だろ」

「そんなことよりミリちゃん」


ひなたはニッと笑ってあたしに擦り寄るとそのままあたしを抱き寄せた。

あたしは焦って身を強張らせる。



「俺、今スゲー幸せ。ミリちゃんは?」

「うるせーよ」

「俺のこと好き?」

「……本当うるさい」


ダメだ。

顔が熱い。

真っすぐひなたの顔を見れない。

ひなたはクスクス笑うとギュッとあたしを抱きしめて頭を撫でた。


「照れてんの?可愛いね」

「うるさい!撫で撫ですんな」


もーやだ!

何この扱い!

恥ずかしくてシヌ!