茶化したのもつかの間、ひなたはあたしの頬に手を伸ばしてきた。

あたしはそのまま固まってひなたを見ていた。


朝方、カーテンのせいもあり薄暗いからあたしの顔が赤くなってるのはバレないだろう。

ひなたはいたずらに笑うとあたしのおでこに口づけしてあたしを抱き寄せた。


「ミリちゃんおやすみ」



ヤバイ!ドキドキする。


ひなたの鎖骨が唇に触れた。


ヤバイ!むしろあたしの方、手が出そうなんですけど!?


ドキドキしながらひなたの体に手を回す。

ゴツゴツした男の体……温かい体温。

ヤベーな……すごく変な気分。



「ねぇ……あんた草食?肉食?」

「ん?犬は肉食ですけど?」

「……意味ちげーよ」

「何?何の話?」


無邪気なひなたにあたしはイライラした。
本当にこいつ何にもしてこねー。

あたしだけこんな気持ち、本当馬鹿みたい。



「あんたは肉。今からあたしが食うの……だから寝かさない」



あたしはひなたの頭を掴んで自分から唇を重ねた。

唇を離すと意外にも冷静な顔をしたひなたがあたしをじっと見ていた。