あたしはそれ以上メールを返す気にならず携帯を閉じてテレビに目を移した。

ホントに面倒クサイ。


あっちゃんともユリともどうしたらいいのかわからない。

あたしは現実逃避するかのようにテレビに意識を向けた。

隣でお姉ちゃんはビールで晩酌している。



「あーそうだミリ、お父さん達が今度ご飯食べに行こうって。あんたいつがいい?」

「……面倒クサイ」

「あんたねー反抗期か。いい加減受け入れなさいよ」

「わかってる……いつでもいー……焼肉なら」


食べ終えた食器を片付けてソファーに陣取ると膝の上にひなたが乗って来た。


「ミリちゃん撫で撫でしてーブラッシングしてー」

「んーじゃクシ持ってきて」


すかさず横からお姉ちゃんが口を出す。

「ちょっと。あたしまだ食べてんの。毛が飛ぶからあんたの部屋でやってよ」

「ここでいいじゃん。そんなに飛ばないって」

「嫌。部屋でやって」

「はいはい……ひなたおいで」


お姉ちゃんから冷たく言い放たれ、あたしはひなたを連れて自分の部屋に向かった。