「ねーミリちゃん、俺いとこなの?」

「仕方ないじゃん……」

「ねーミリちゃん、俺彼氏じゃないの?」

「……ペットじゃん」



青空の下、ひなたを連れてバス停までとぼとぼ歩く。

あたしはチラリとひなたを盗み見る。

綺麗な横顔にミルクティー色したちょんまげがふわふわ揺れる。

ひなたはわかっているのかいないのか相変わらず呑気だ。


「ジャーキー食う?」

「……美味しいのそれ?」

笑顔ですすめられ、あたしはしぶしぶジャーキーを口にした。


「……硬っ!いらない」


噛み切れず返すとひなたはそれを口にしていたずらに笑った。


「あんたジャージて。もうちょっとまともな格好してきてよ」

「え〜何で?これダメ?」

「……ダメ」

「じゃあ迎えに来たのもダメ?」

「……迎えに来たのはいいよ」


あたしが答えるとひなたはキョトンとした顔で立ち止まった。


「ミリちゃん熱ある!?」

「ねーよ」



本当はひなたが迎えに来てくれてあたしは嬉しかったから。