信じられない。

ひなたがまた学校に…
しかも校内まで来たなんて……。

アホ丸だしなのも信じられない。



「……ミリ、誰?」


レミがあたしとあっちゃんの顔色を探るように尋ねた。

あたしが答えに困っているとあっちゃんがひなたの前に出る。



「俺らより戻ったからお前もういいよ」

高圧的なあっちゃんに対し、ひなたはキョトンとしてあっちゃんを見つめた。

あたしはハラハラしながら二人の距離に身構える。


「ふーん……で?」

「で、じゃねーよ。帰れ」

「うん。ミリちゃんと帰る」

「あ?」


ひょうひょうとしたひなたにあっちゃんは明らかにイラついている。
隣でレミがひなたを珍しそうに見ていた。

マズイ……。
ひなたとあっちゃん会話になってない。

あたしは慌ててひなたを引き寄せた。


「いとこ!本当はいとこなの!」

あたしの間の抜けた声に一瞬、みんな目が点になる。


「……いとこ?」

「ごめん!迎えに来てくれたみたいだしあたし帰る!じゃあ!!」


すかさずあたしはひなたをぐいぐい引っ張りあっちゃん達から遠ざけた。