ベッドが沈んだことでひなたが横に腰掛けたのがわかった。




「で?君はミリちゃんを好きなの?」


沈黙の中、ひなたがユリに問い掛ける。


「君はどっち?……男?女?」


張り詰めた空気を弾くようにユリが口を開いた。



「どちらでもないもの……」


あたしは息を飲んで二人の話に耳を澄ます。


「インターセックスって知ってる?あたしは……僕は男だったんだよ。中三の夏まで」


突然のユリの告白にあたしは頭が真っ白になった。


は!嘘だろ!?

ユリが男だった!?
何だその冗談!



「へーまあどっちでもいいや。ミリちゃん好き?」


って、オイ!
流すんじゃねーよ!そこ、もっと聞けよ!?

あたしの驚きと対照的にひなたはあっさりと聞き流す。

「……何それ。驚かないの?」

「うーん。あんま関係ないかな?」


しばらく沈黙してユリが話し出した。


「……初めて話しかけてくれたんだ。僕が女として高校に入学した日、ミリが話しかけてくれた。ミリは覚えてないだろうけど……一目惚れだった」



嘘だろオイ!?

ユリがあたしを好きって!

中三まで男だったって!


何だよマジ意味わかんない!!