洗面所からリビングまで一通り電気を消して部屋に戻ると当たり前のようにひなたがベッドの上にいた。

いるわなそら。




「……ねぇ、あんた今日はお姉ちゃんの部屋」

「なんで?」

「何でじゃねーよ。人間の姿のあんたとは寝ないから」

「だからなんで?」


ダメだコイツ。
わかってねー……。

平然とベッドにいるひなたを叩き出そうと近づいて手を出した。
瞬間、ひなたの方に勢いよく引き寄せられる。

あまりの出来事に一瞬わけがわからなかった。


「……ひなた?」

「俺のこと彼氏って言ったくせに……」



ニコリともヘラヘラとも笑わない。

ひなたの刺すような言い方にあたしは息が詰まった。

こんなひなた初めてだった。