「わざとじゃねぇし」


1人の子がそう言って、逆方向へ歩き出そうとした。


すると、3人のうちの1人が、その子を引き止めた。



「ちょっと待てって」



先生がキレる前に、引き止めてくれて良かった。



「すいませんでした」



ふてくされた顔して、1人の男の子が頭を下げた。





相手は、先生。


そんな心のないすいませんで許されるはずがない。




「お前ら、目をつぶって階段のぼってみろよ。どれだけ怖いかわかるか?」




3人とも下を向いて頭を下げた。



「すいません。反省してます」



「軽い気持ちでしたことが、人の人生を変えてしまうこともある。あのおじいさんが明日から電車に乗るのが怖くなったらどうする?お前ら責任取れんのか!!」