「うるせーよ。行こうぜ」




その男の子達は、そこで謝っておけば良かったと後悔するだろう。



だって、相手は新垣先生。




「ふざけんなよ。このまま逃げれると思ってんのか」





本気で怒った先生は、怖い。



翼先生が、こちらを気にしているおじいさんに、大丈夫ですからと声をかけ、おじいさんは歩きだした。




「軽い気持ちでやったことかも知れないが、それが人間として最低なことだってわかるか?目の不自由な人にとってあの杖がどれだけ大事か、考えてみろ」





黙ったままの3人は、顔を見合わせて、面倒臭そうな顔をした。



静かな駅の構内。


重い空気。