日もとっぷりと暮れ、居酒屋『とり蔵(ぞう)』も賑わいを見せてきた。
看板娘の沙織ちゃんも忙しく動き回っている。
僕は生ビールの二杯目を飲み干したところだった。
「ねえ、今日泊まって良い?」
沙希ちゃんの目が妖しく光る。
僕は下半身にむず痒さを覚えた。
(そう言えば沙希ちゃんとエッチしたのは市陸の試合を観た後以来だな・・車の中では・・だったし)
あの日からちょうど一週間。沙希ちゃんの目が妖しく光るのも無理はない、のか?
「お母さんにちゃんと――」
「もうメールした!」
僕の言葉に沙希ちゃんが被せて言う。
それなら断る理由はない。
僕も彼女を欲しかったから――。
居酒屋『とり蔵(ぞう)』を後にして、彼女のライフが停めてあるパーキングまで腕を組んで歩いた。
うっすらと汗をかいた彼女の匂いが鼻孔をくすぐる。
途中に薬局屋があった。
僕は彼女に「ちょっとここで待ってて」と言い、薬局屋に入ろうとした。
その手を沙希ちゃんが掴んだ。
「今日は大丈夫だから・・いらないよアレ・・」
(え?いらないって?え?)
僕はまだ良く女性の身体の仕組みを理解出来ていないようだ。
『メゾン・ciel』
アパートに着いた僕らはもつれるようにして玄関に入ると、お互いの唇を求めあった。
唇を重ねたままで服を脱がし合う。
僕はもどかしさを感じながら彼女のブラウスのボタンを一つずつ外していった。
白い胸元が現れると僕は夢中でブラが着いたままの胸元に口づけをした。
彼女は自分の後ろに手を回すと、ブラのホックを外す。
開放された二つの盛り上がりの中心は既に固く尖(とが)っていた。
僕は片方のそれに唇を押しつけ優しく噛んだ。
「あっ・・」
のけ反る彼女の身体を倒れないように支えながら、なおも唇を押しつけ舌先で舐める。
「んっんっ・・」
彼女は夢中と言った感じで僕の頭を抱え込む。
とうとうバランスを崩してそのままフローリングに二人で倒れ込んでしまった。
とっさに彼女を庇(かば)った僕はフローリングと彼女の間に挟まれる。
彼女は僕の身体に跨(また)がりベルトを外しにかかった。