「僕の再就職もまだ決まってはないんですけどね・・」

「明日だっけ?」

「はい。午前中には連絡もらえるようになってます」

「仕事のアテは無い訳じゃないわ。それよりまたトリニータの試合に誘ってよ。あの雰囲気は最高だった・・」

「えー!名山さんほんと?また誘っても良いの?」

「そうね、誘って。あなた達とも会えなくなるのは寂しいじゃない」



沙希ちゃんと名山さんは早速携帯番号とメールアドレスの交換をしていた。

(こういうのって何か良いな。仲間が増えていくのって・・)



「じゃあ行きましょうか!」



大分駅で名山さんを降ろし、僕と沙希ちゃんはアパートへと向かった。

「帰って来ちゃったねぇ・・」

「今度はゆっくりサッカー観戦だけの目的で行きたいですね」

「そうだね、慌ただしいかったね。勇次くん疲れてない?帰ったらマッサージしてあげようか?」

「えー?何のマッサージなんですかね?」

「ふ、普通のマッサージに決まってるでしょ!変態!」

「あはは。じゃあ僕も沙希ちゃんをマッサージしてあげますよ・・普通のじゃありませんけど」

「ばか・・」




その夜彼女は僕のアパートに泊まった。
もちろん彼女のお母さんにも了解を得て。

彼女はベランダの洗濯物を取り込んで、新潟旅行で出た洗濯物を洗濯している。
その間僕は魚沼で買った生そばを茹で、南蛮エビを皿に盛りつけていく。

沙希ちゃんが洗濯物をたたみ終わる頃にはそばは茹で上がった。

二人でそばをすすり、代わりばんこにシャワーを浴びた。

ベットに入る頃には日付が変わってしまっていたが、不思議と眠くはなかった。

先にシャワーを使った僕はベットに寝転んで面接を受けた『H・O・S』の資料を読み直していた。

(女性が代表取締役か。取引先はほとんどが事務系だな・・)

そんな事を考えているところに沙希ちゃんがシャワーを浴び終わって寝室に入って来た。

彼女は白いシースルーのキャミソール一枚だった。
胸の突端も身体の中心の黒い影もはっきりと分かる程の透け具合だ。

「ちょ、それも名山さんの・・」

「うん、バッグの中に入ってた・・男の人ってこんなのが好き?なの?」