会話はそれだけに終わり、全員が全員会話を交わすこともできず、チャイムと共に一限目が始まってしまった.








「おっ!今日はやけに静かだなぁみんな!」



目の悪い数学教師が陽気に言う.
イラッとくる笑顔と共にイラッとくる発言.




クラス全員が苛立ちを覚える



いつもとは違う、静けさの中で授業が進んでゆく.





随分と長く感じた数学も終わり、次は二限目の体育の水泳の時間となった.



次々とプールの更衣室へと向かう生徒たち.
宮地も同じように仲間たちと教室をでようとする.




教室のやや真ん中あたりにひとり取り残された生徒がいた.
ポケットに手を突っ込み、無表情でどこかを見つめながら、席に座っていた.



容姿の怖さから誰にも話しかけられることなく、独りだった.