「…というわけで、恭平くんです」


部室で米倉、尚、聖也、光大、晴香のパラパラした拍手が起きる。



「よろしくお願いします!」


はにかみ笑顔を送る恭平くん。


「じゃ、みんな自己紹介でもする?」



提案してみたが、恭平くんに遮られた。



「大丈夫っす!みなさんのこと、大体わかるんで!」


そして、うちら6人を簡単に説明していった。




「えっと、まずあなたが米倉優大さんですね?キャプテンと聞いていますが…。パスもシュートもドリブルもすごいテクニックの持ち主だとか…。でも、パワーも持ち合わせている、総合的に見てすごい実力ですよ」



次は、尚を見て、

「主にFWの富田尚輝さん。ワンタッチプレーとドリブルの使い方が上手くて、スペースに走り込むのも得意ですよね」



「あなたは、山口聖也さん…ですよね?DFでキープ力もある…。あ!フリーキックがすごく上手いと聞いています!」



「松下光大さん。スピードとパワー、テクニックもあり、突破力がずば抜けている。パスの精度も高く、プレーがしやすい方だとか」



「吉岡…晴香さん。FWですよね。ボールタッチが柔らかいのが特徴ですね。声もよく出すと聞いています」



はわー!すごい、すごすぎる。

知ってると言っても、名前とポジションくらいかと思ってた。
それなのに、それぞれみんなのプレースタイルまで知ってた。
なんなんだ?恭平くんって…?


─って、うちの紹介まだだよね!
なんて褒められるんだろう…♪



「最後に…夏川花…」


そう言いかけたとき、米倉のよく通る声が部室いっぱいに広がった。




「すげぇ、すげぇぞ!恭平っ!」