驚きと戸惑いで焦っていると、すぐにまたメールを受信して……
《ごめん冗談、帰るよ。
特に用はなかったんだ。
明日は帰り待っていて?
今日のお詫びに何か
ご馳走するから。
じゃあ、おやすみ》
どうして高遠先輩は、いつもこうなんだろう……。
あたしをからかって楽しんで、だけど甘えさせて。
それでも最後には、冷たく突き離す。
……多分あたしは、また突き離される。
だからなるべく甘えさせないで欲しいのに、それでも優しくされてしまうと、あたしは甘えたくなってしまう……。
《わかりました、
教室で待ってますね。
おやすみなさい》
返信をしてから、あたしはしばらくは何も出来なかった。
ただ高遠先輩からのメールを見つめては、少しだけ胸をときめかせて。
だけどこの先の事を勘繰ってしまうと、どうしても怖くて……。
――いつか突き離すつもりなら、優しくしないで欲しい。
優しくされればされるほど、その時が来てしまった時に、辛くなるから……。
だから高遠先輩……、今からでも遅くないです。
どうかあたしを、少しずつ遠ざけて下さい……。
あたしが、元カノを忘れられないままのあなたの傍にいる事に、本当に辛くなる前に――……。