「すみません、
責任は全て俺が負いますから、
お巡りさん、もうちょっと、
タケシの傍にいさせて下さい、
もう逃げも隠れも
しませんから。」

警官は、更に戸惑いつつも、
コウイチと中澤医師の
言う事に従い、
警棒をサヤに収めました。

 コウイチが、待って
くれていた警官に連れて
いかれると同時に、
中澤医師により、
手術が開始されました。
手術は無事終わり、
中澤医師が手術室を出ると、
待機していた警官に、
事情聴取の為、
連行される事となりました。
中澤医師の事情聴取から、
一時は、誘拐幇助の
罪で逮捕されかけましたが、
コウイチの事情聴取から、
すべてはコウイチ自身が
仕組んだ事であり、
中澤医師に手術を
強要させたのだと言い張り、
結果、コウイチが
すべての罪を背負う形で、
中澤医師は釈放されました。
拘置所に勾留される
事になったコウイチですが、
手術後、丸二日間の
眠りから目覚めたカオリが
誘拐ではなく、
自分の医師でタケシと
心中を計ったのだと主張し、
薬剤室への立てこもりについても、
看護婦を始め、
とやかく言う者は誰もおらず、
やがてコウイチも
釈放となったのです。