“字を書くのが恥ずかしいのか…?
まあ、このまま紙ヒコーキで
やり取りするのも変だしな…”

タケシはそう思い、
クスクス含み笑いを
浮かべながら文字を打ちました。

“改めまして、タケシです。
今年二十歳になります。
本当に、俺なんかと友達に
なってくれるんですか?”

送信すると、すぐに返事が返ってきました。

“こちらこそ改めまして、
カオリです。今年二十二歳になります。
私の方こそ友達が
欲しかったので嬉しいです。
気軽に連絡を取り合いましょう”

その日から、
タケシとカオリは
頻繁にメールし合うようになりました。
タケシとカオリは
驚く程、気が合いました。
二人共、控え目な性格で、
人付き合いが苦手なところ、
でも本当はもっと表に出たい、
そんな思い、考え方が特に一致していました。
そんな、メールで会話を
楽しむ毎日が二か月も続き、
タケシは、カオリの事を知れば知る程、
益々カオリに惹かれていきました。

“おはようタケシ君、
今日は良いお天気、
二匹の紫の小鳥のさえずりが心地いいね、
恋をしているのね”

それを見て、タケシは窓の外を見上げました。
朝日に照らされ、青い小鳥が二匹、
木の上でさえずりを奏でていました。

「えっ、
どう見ても青い鳥だけど、
間違えたのかな?
でもほんと、今日は暖かくなりそうだな。」