「風俗で働く傍ら、
アダルトビデオに
出演を依頼されたのよ、
お金欲しさに出演しちゃってね、
そこで、同じく、
借金を返す為に
男優として出演していた
コウイチさんに出会ったのよ。
似たような状況だから気が合ったのね、
二人は付き合うようになったのよ。」

タケシは、二人を軽蔑しながらも、
生きていく為に手段を
選ばぬ二人に、
少し同情の念が湧いていました。

「生きていく為か…。」

「そうね、でもその後、
二人共まともに働いて協力しようって
誓いあって、
お互い、風俗から身を引いたのよ。」

タケシは聞き返しました。

「じゃあ、HIVは?」

「そう、その直後、
ユウコは感染を知ったのよ、
風俗で働いて、色々な男の人を
相手するから、誰から感染したのか
知らないけど…。」

「そこで、父さんも
母さんから感染したのか…。」

「それがね、その時コウイチさんも
検査したら、まだ感染してなかったのよ。
ユウコはそれを知って、
コウイチさんにうつらない為に
別れようとしたのだけれど、
コウイチさんは、そんなの構わないって、
絶対に別れなかったのよ。」