そう考えるのが普通でしょう。

「ううん、確かに不敏だけど、
その代わり私には、生命の風を
感じるの、その風の色が見えるから、
何とか一人で生活できるのよ。」

「風の色?」

「そう、タケシ君からは
純粋な黄色い風が出ているの。
だからやさしい人なんだな、
って分かるの。」

「て事は、色んな色の人がいるの?」

「そう、怒りっぽい人からは
青い風が出ているし、
人を憎んでいる人からは
黒い風が出ているの。」

「そっか、ある意味、
人の目以上に見えるって事だね。」

タケシはただ関心する
しかありませんでした。

「でも、さっき、このさゆり苑に
来た時、俺とカオリさん、
目が合ったと思ったけど、
気付かなかったよね?」

「そうね、だって、
この施設にいる人達は、
黄色い風を出している人ばかりだから、
まさか、タケシ君が
いるなんて思わないから。」

「そっか、ほんと
突然来ちゃったから。」

タケシは照れ笑いを
浮かべました。

「そういえば、前に
窓から見える青い鳥を
赤い鳥って言ってたね、
それも風の色なんでしょ、
赤は何?」

「赤はね、恋の色、あの二匹は
お互い恋をしているから
赤い風が出ていたのね。」

そして、カオリは言葉を濁しながら話しました。