「だから、もういいって
言ってるだろっ、
俺を騙した人に、
もう会いたいなんて
思わないからっ。」

「その事はすべて
父さんが仕組んだ事だ、
本当に悪かったと思ってる、
ただ、カオリちゃんは、
本当にお前を友達だと
思って接してたんだ、
それで、カウンセラーって
言うのを黙っているのが
辛くなって、
何も言わず出て行ったんだ。」

タケシは、下を向き、
本当にカオリは
自分をどう思っていたのかを
考えました。
コウイチは続けました。

「最後に、父さんに
会いに来てこう言ってたんだ、
タケシを知れば知る程、
苦しい気持ちになるっ、てな。
さっきお前が言ったのと
同じ気持ちなんだよ。
だから、連絡してあげてくれないか。」

その言葉に、タケシは
何も言いませんが、
連絡先の書かれた紙は受け取り、
そのまま振り向き、
歩き出しました。