中学三年になった
ばかりのある日、
教室にいるタケシに、
クラスメートの
シンヤとトモノリが寄ってきました。

「よっ、AV男優さんっ。」

「あははっ、違うだろ、
それはタケシの父ちゃんだろっ。」

タケシは、いきなり何を言うのか、
訳が分かりません。

「な、何だよ、何が言いたいんだよ。」

タケシが聞くと、
シンヤがニコニコして答えました。

「昨日、二人でレンタルビデオ屋に
行ったんだけど、
こいつがアダルトビデオの
コーナーに入って、
パッケージを物色して
ジロジロ見始めたんだよ。」

トモノリが更に
ニコニコして答えました。

「こいつにつられて、
俺も見入っちゃってさ、
えへへ、そしたら、
店のおっさんに怒られたけどな、
お前らにはまだ早いっ、てな。」

そこでシンヤが
顔をタケシの耳元に寄せました。

「でもな、たまたま
そこで見ちゃったんだよ、
お前の父ちゃんが
パッケージに写ってるのを。」

タケシは、机に両手を叩きつけました。

「何、訳分かんない
事言ってんだっ、
そんなの、似た奴が出てたんだろっ。」

トモノリが
冷静に答えました。