「近藤さんは何買うんですか?」

「えーっと…お酒とか、惣菜とかかな。佐々木さんは?」

「適当にいろいろです。あ、今日はハンバーグにしようと思っているので、ミンチは絶対です!」

「俺、ハンバーグ好き!」

「私も好きです♪」

「よし、今日は俺もハンバーグにしよう!!」

「ふふっ。近藤さんも作るんですか?」

「いや、俺は作らない。でも、ミンチを買おうと思う」

「???」

意味がわからなくて隣の近藤さんを見上げた。
ちょうど、スーパーの、外側の自動ドアが開く瞬間だった。

ミンチを買うのに作らないって?

「俺がミンチ買うんで、ハンバーグ食べに行ってもいいっすか?」

近藤さんがあまりにも屈託のない顔で聞いてくるから、突然のことだったのに、思わず、

「いいですよ」

なんて素直に笑っていた。