「雑炊だって!やったぁ!」
軽い足取りで歩き出した!

何?何なの?

さっきまでへたり込んでたくせに、雑炊聞いたらこの元気?
いい大人が食べ物ではしゃいで…よほど好きなんだな。

そして…雑炊ごときで喜ぶ主任を、思わずかわいいと思ってしまう私…。

ダメだよ!ダメ!
この顔に騙されるな!

顔と身体はいいのは知ってる!
でも、中身は嫌という程知ってる!

いつも痛い目見てるんだから!


「綾美!早く来いよ〜」
100万$級の最高の笑顔で、前方数メートル先で手を振る主任。

…ものすごく幸せそうだ。

仕方ない、病人だし…(多分)。
今日だけは大目に見てやる。








「………39度5分」

主任の熱…。

ありすぎだよね?
これだけ熱があったら、私なら動けないよ?

体温計を片手に、液晶テレビ前に立つ主任を見る。

ピタゴラスイッチを見ながら、アルゴリズム体操をやってるんだけど…。

さりげなく足が震えてるし呼吸も上がってる…そろそろ止める?

「主任、横になって休んだ方がいいと思いますけど?」


できれば病院をすすめたいけど、伸ばして干されるのは怖いから言いたくないんだよねぇ…。