「まぁ、せっかく来たんだ。お茶でも入れていけ」
「私が入れるのかよっ!」


主任が私の手を握る。

…すごい熱い?!


「主任?…熱あるんじゃないですか?」

手を引かれながら、前を歩く主任を見上げる。
顔もかなり赤いけど…。
服もTシャツにスウェットだし、身体キツくて寝てたんじゃないのかな。


「…熱?」

主任は突然、足を止めた。
途端、ふらふらと床へとへたり込んだけど?!

「忘れてた…熱あったんだった」
「忘れてたのかよ!!」

そして今、思い出して力抜けたのか!


馬鹿――――っ!!


「主任!しっかりして下さいよ!立って部屋まで歩いて!」
座り込む主任の手を必死で引き上げ様と試みる。
なのに主任は動かないし!

こんなトコで倒れないでよ!

「無理〜…綾美おぶって〜」
「それこそ無理!!」

さっきまで全開だったくせに!
何を今更病人に戻って甘えてんだよ!

「ほら立って!部屋まで歩くの!雑炊作ってあげるから!」
家紋さんが言ってた。
雑炊は主任の好物の一つらしい。
庶民的だよね?

「本当かっ?!」
うわぁっ!主任?!
悠々と立ち上がっちゃった!

雑炊パワー?!