「え?僕?」

話を振られた貢さんは、かき氷を頬張りながら振り向いた。
しかも怪しい色の食べてるし…おいしいの?


「…貢さん免許持ってますよね?」
「免許?」

う〜ん…と貢さんは、考える様に天井に視線を泳がせた。


「ひよこ鑑定士の事?」
はぁっ?!ひよこ?!

「違いますよ?!」
「じゃあ…ボイラー技師?」
ボイラー?!
「違う!医・師・免・許!!」

何でひよこ鑑定士とかボイラーなんて持ってんのっ?!
いつ使うんだよ!

「医師免許ですよ!医大出てるんでしょ?!」
「うん」
「なら、貢さんが主任を見に行く方がいいと思ったんですけど」

突然、貢さんは持っていたスプーンを落とした。

「だっだだ…だだダメだよっ!」
おい!どもりすぎだろ?!
「僕にはにわな…む無理だっか…ガッ…つ痛っ!」
貢さんは両手で口を押さえて座り込んだ。
舌噛んだのか!!

「無理だよっ!僕には」

再び立ち上がった貢さんは、噛んだ為ににじんだ血をハンカチで拭き取り始めた。
…って…何で額から血?!

いや、何かこういうのに慣れてきてる?私。

「どうしてそんなに命いっぱい拒否するんですか?」
かなりおかしいよ?
思い知ってるけど。