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一人戻って来た湖はひどく閑かだった。
隣に暖かさが足りないだけで、
オレは上手く笑えない。
鈍色になった世界を見て、
初めて出会った時の彼女の瞳を思い出した。
キミもこんな気持ちだったんだと、その時オレは初めて知った。
あぁ、こんなときですら考えるのはキミのこと。
元気になっただろうか。
笑ってくれているだろうか。
泣いたりしてないだろうか。
また綺麗な黒髪になっただろうか。
キミはオレの世界の中心で、
オレの世界そのものになった。
*
同じ思いを抱いたまま、
世界のどこかで、
オレ達は覚えたての愛を歌った。
星屑のようなオレ達は、
世界の摂理に抗う術なんて持っていない。
それでも、
いつか、
東の空にキミと約束した星が生まれたら、
迎えに行くから。
冷えた体を、湖に投げた。
星が孤独を暖めて、
届きそうな空に愛を見上げた。
END...