あのあと僕は、隣のクラスへ行き、京平に恋のアドレスを聞かされた。


「オレ葉山京平っていいまーす♪オレにも教えてっ」

京平が間に入り、横取りする。

「え…」

「教えない方がいいよ。こいつたらしだから」

「え…」

「違うもん!オレは彼女一筋だから」

「なのにアドレス聞くの…?」


戸惑っていた恋だったけど、このツッコミには賛辞を与えたい。


幸い、京平の彼女は教室にはいなく、僕達はちゃっかりアドレスを聞いて帰った。


今思うと、

京平に聞かされたといったけど…聞かされたように、思い込もうとしていたのかも知れない。