「覚えてるか?」

「……は?」

「あの公園」

会長が指差した先にあったのは、ブランコと鉄棒だけがある小さな公園だった。

「覚えてません。」
即答する。
どうせまたロマンティカな空気を作りたいんでしょう会長は!


あの公園は、確かに私と『諒ちゃん』が小さな頃を過ごした場所だ。会長と、じゃない。

「……何だそれは」

「だから。覚えてませんって言ってるんです」

「…………ナツが近所の少年達を半殺しにし」

「はいはいはいはいそうですかそうですねじゃあ私はこれで!」
もう限界です。

堪えられません。この人と話してるの。しかも中途半端に私の過去なんて知ってるから!