「神谷夏生は男だよ。全く何言ってるんだか」



げ、と思わず声が漏れた。

何しろ。

「…会長、何で居るんですか」

「同じ電車だっただけだろう?いつもより一本早い電車に乗っただけだ」

会長が居たからだ。

…助け舟を出してくれたのは嬉しかったけど。

「ちゃんと生徒名簿にも記載されてるよ、赤磐。そもそも俺と夏生は昔からの付き合いだから」

「…そうですか。それは良かったですね会長、勝手に吠えててください。あと夏生嫌がってませんかそうやっていちいち首突っ込む割に仕事しないところとか」

そして車両内に流れる微妙な空気。…かなり、気まずい。