次の日。仕事が終わりエレベーターを出て、私は急ぎ足で部屋へと向かう。もうすぐ…あと少し……その時…。



―――ガチャ―――



ドアの開く音がすると、男が部屋から出て来た。私は知らない振りをして部屋の鍵を取り出しドアの前に来た時…。



「あの。すみません」



ドキンと心臓が大きく脈打つ。まさか…声をかけられるなんて思わなかったからか…足が動かない……。