返事が無いことを大して気にも留めず、男は金髪を揺らすと怪盗の顎を掴み、強引に自分に向かせる。


そして力強く押さえつけると、慎重に耳元から仮面を剥いでいった。



痛っ…


隙を見出すことに集中していた怪盗だが、とはいえやはり痛みには適わない。


皮が剥がされるような感覚に、眼を閉じて堪える。




暫くしてようやく苦痛から解放され顔に外気が触れるのを確認すると、ゆっくりと眼を開いた。