それからしばらく、銀の怪盗は世間に姿を現さなかった。 …しかしそれは表立ったところでの話。 一般人としての彼女は、ごく普通にロンドンの街並みを歩いていた。 落ち着いた雰囲気のカフェに入ると、窓際の席に着き物憂げに外を眺める。 その美しい姿は好奇の目に晒されるが、しかし当の彼女の思考は常人とは離れていた。