「それ……たまたまじゃなくて、確信犯だと思うけど。」


火槌と聖河の過去の話を一通り聞いて発言する梓。

病室内には、ベッドで上半身だけ起こした状態の聖河と、丸イスにちょこんと座った柚枝と、立ったまま話を聞いていた郁が居る。


夕日が沈みかけ、辺りは薄暗くなってきていた。



「うちもそう思う!あっ、暗くなってきたね。電気点けようか?」


柚枝の申し出に、聖河が頼むと頷く。

柚枝が電気のスイッチをオンに切り替え、病室内が白く明るい光に包まれた。



「……そう言われると、自分もそんな気がしてきた。」


「共同研究が一緒だったって前に、生徒会長と副会長だったって事実の方が深い思い出じゃない。忘れてたの、聖河?」


「ああ、忘れていたようだ。時神 火槌本人に会って、蘇ってきた記憶のようだ。」