「これだから頭かっってえ奴は困るぜ。用があるから話しかけてんだろうが。」


「……あんたとは長話したくない。早く用件を話してくれ。」


「相変わらず嫌われててかっわいそうだなあ、俺様。……とまあ、おふざけはここまでだ。此処梨……お前、共同研究のテーマは何にした?」


そんなことを聞いてどうすると、聖河はぶっきらぼうに言葉を返す。



「どうしようと俺様の勝手だろ。長話したくねえって言うなら、さっさと答えな。」


「……ある果物の味について、研究するつもりだ。その果物が何かは言えないが。」


「果物、ねえ……。ふうん……邪魔したな。」


火槌は何の脈絡も無く、別れの挨拶をすると生徒会を足早に出て行った。



「……何だったんだ?」


聖河は怪訝そうに眉を潜めて、火槌が出て行ったドアを見つめていたのだった……。